もらった絵文字で話考えるやつ


ここは大陸から離れたとある島。

そこは動物達が自由に暮らす楽園。こゃんぷっぷーは駆け回り、カカポが踊り、

ベイクドモチョチョザウルスが木の下で昼寝をしている。

そんな楽園の中に住まうことを許された、ただ1人の人間が居る。

 

年季の入った屋敷の中を、にゃんぷっぷーが飛び跳ねて行く。目指すところは屋敷の主人が居る部屋だ。

 

「なふさーーーん!!!」

 

扉を勢い良く開けると、今まさに昼食を食べようとしていた人間が大きな口を開け目を丸くしていた。

 

「ちょっ…いきなり入って来ないでよ!」

「あっ!ハンバーグだぁ!ずるいずるい!ぼくもたべたい〜!!」

ぴょんぴょんと足元を跳ねるにゃんぷっぷーに、なふさんは

「こうなるからコッソリ食べるつもりだったのに」

とため息をつく。

「だ〜め!毎回動物達にゴハン横取りされる私の身にも…っていうか、何の用で来たの?」

ハンバーグに涎を垂らしていたにゃんぷっぷーは、ハッと自分の目的を思い出し真剣な表情になる。

「大変なの!ヨシゴイが…ヨシゴイが!」

慌てるその様子に、なふさんはナイフとフォークを置いて立ち上がる。

「私の出番ってことね?」

「うん!来て!」

ぴょんぴょんとにゃんぷっぷーは屋敷の出口目掛けて跳ねる。

なふさんは昼食を後回しにして、手早く支度をする。

救急キットの入ったショルダーバッグを提げ、白衣を身に付ける。

そう、彼女こそ島で唯一の獣医だった。

 

─────────

 

「ヨシゴイ!ヨシゴイ!しっかりして!」

 

にゃんぷっぷーに声を掛けられても、サングラスを掛けた鳥はぴくりとも動かない。

 

「なふさんどうしよう、ヨシゴイずっと返事しなくて…」

 

怯えるにゃんぷっぷーに、なふさんは目をまっすぐ見て落ち着かせる。

 

「大丈夫。私はこの島で一番の医者だよ?」

「う、うん…大丈夫だよね。なふさんは"めいい"だもんね」

「そう。だから安心してて」

 

さて、と、なふさんは目の前に居る患者に集中する。

呼吸も脈もある。外傷は無いし、顔色も良い。

目の状態を確認する為に、ヨシゴイが掛けているサングラスを取る。すると…

 

「オァーーーッ!!!」

 

「にゃっ!?」

「えっ!?」

ヨシゴイの嘴から飛び出した素っ頓狂な声に、1匹と1人は目を丸くした。

 

「ンアァまぶしっ…あれ?にゃんぷっぷーになふさん?おはよっす」

「ヨシゴイ〜!!よかったぁ!!」

すりすりと柔らかな頬を寄せられたヨシゴイは、何が何だか分からないという顔をしている。

 

「おはようって…ヨシゴイ、まさか寝てたの?」

なふさんが尋ねると、ヨシゴイは少し照れたように頭をかく。

「へぇ…昨日の夜はカカポとパーティやって朝まで踊り明かしてたんで…

グラサン掛けたまま熟睡してやしたね」

「パーティやってたの!?いいにゃ〜にゃんぷっぷーも呼んでよ〜」

「毎日9時には寝てる良い子は呼べないっての」

「ぼくも夜更かしした〜い!!」

 

「てことは…にゃんぷっぷーの早とちりだったのね…」

緊張感が抜け、がっくりと項垂れるなふさん。

「にぁああ!ごめんなさいにゃ〜!」

「あ…なんかやっちゃいました?オレ」

「うぅん、今日もみんなが元気で良かった!」

笑顔を見せたなふさんに、にゃんぷっぷーは飛び跳ねた。

「にゃあ〜!なふさ〜ん!」

 

ここは平和な島。たくさんの動物達と、1人の人間の楽園。

今日もみんなが元気に過ごせる一日になるようだ。